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2013.01.17 Thursday

映画「東京家族」

去年12月に出た「うちへ帰ろう」
1月19日(土)より公開の映画『東京家族』の関連本です。

実は先日、試写会に行かせていただきました〜



この映画、1953年公開の映画小津安二郎監督の『東京物語』をモチーフにした、
山田洋次監督(81歳)の81作目となる作品。

モチーフにしているというだけあって、セリフ運びは『東京物語』を
意識されているような気がしました。

クランクイン前に3.11を迎えたために脚本は書き直されたそうです。
だから、これは3.11を経験した、2012年5月の東京が舞台の物語。

瀬戸内海の小島で暮らす老夫婦(橋爪功さん、吉行和子さん)が
東京で暮らす子ども達に会いにきました。
上京した日は子ども全員が集まり、食卓を囲みます。
が、子どもの頃期待されなかった次男(妻夫木聡さん)だけは
父親が大の苦手。
父も、食っていけるのかわからない仕事をしている頼りないやつ、
と心配半分、説教半分という態度。

老夫婦が最初に泊めてもらったのは
長男夫婦(西村雅彦さん、夏川結衣さん)の家。
長男は開業医で忙しく、勉強と遊びに追われる子どもが二人います。

次は長女夫婦(中嶋朋子さん、林家正蔵さん)。
ここは子どもはいませんが、長女が美容院を経営。
夫を尻に敷きまくり、働きまくりです。

子どもたちは、上京した両親の相手をしてやりたい気持ちはあっても、
仕事もあるし、普段の生活もあるしで思ったように歓待できず、
徐々に「日常の異分子」である両親を持て余すようになります。
両親も東京は落ち着かず、そろそろ帰ろうかという空気になりつつあります。

夫婦別行動をした日、父は旧友と深酒をして周囲に迷惑をかけます。
長女と大喧嘩をした父は、二日酔いのまま早朝、長男宅へ。

一方、末っ子がちゃんとやっているか心配な母は、次男のアパートへ。
独身男性、かつ、不規則な仕事をしている割に部屋はとてもキレイ。
なぜなら恋人がいるから。
次男は照れながら、恋人の紀子(蒼井優さん)を紹介します。
紀子が気に入った母は次男の部屋に一泊し、翌朝、上機嫌で長男宅に戻ります。
しかし、そこで――。

割と淡々と、ゆるりと進んでいた物語は、ここから急激に大きなうねりとともに
進み始めます。なのに、瀬戸内のシーンはとても静かで綺麗で……。
結構泣いてしまいました
やっと涙が落ち着いたと思ったら、また次の……と。
でも、ちっともイヤじゃなく、心の中の澱が流れるような涙でした。

悲しい場面に挟み込まれる、ふわっと笑ってしまう場面。
楽しい場面なのに、何だか無性に泣きたくなってしまう場面。
そういうものが、この映画には散りばめられていました。

おっとりほんわりした母の存在が緩衝材となっていた父と次男は、
その存在がなくなると、お互い取りつくしまもありませんが、
そんな二人の救いとなるのが、第三者である紀子の存在。
「家庭」の中の「妻」、そしていつかは「母」となっていくことを
予感させる彼女の存在は、人間ってこうして少しずつ家庭を築いてきたんだと
いうことを感じさせてくれます。

命が消えていくことを、防ぐことはできない。
でも、その命が生きて残してきたものは、有形無形に限らず
家族の中にしっかり根を張り、生き続けていくのだということを
静かに訴えている作品でした。

父、母、息子、娘、嫁、婿、孫。
私たちは必ず彼らの誰かと同じ、「立ち位置」です。
その誰かと同じ目線に、楽に立つことができます。

そして、その「立ち位置」で一緒に暮らした家族のこと、
自分が作っている、これから作るであろう家族のこと。
身近な、いろんな人に想いを馳せることができます。

大阪の試写会では、ちょっとしたシーンでクスクス笑いが結構起きてました
橋爪さんと吉行さんが座ってるだけのシーンとか。
ひとつのフレームの中でも、メイン以外の人が後ろでいろいろ動いていたりと
細かい笑いどころもあります。

泣きどころが違うように、笑いどころも違うはず。
是非、大きなスクリーンで観てみてください

1月19日
大阪ステーションシネマほか松竹系にて公開予定です





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